シングルポイント根充 って意外と難しい?/レオ先生の自費診療日記
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以前の投稿で、根管充填の新時代が到来していることをお伝えしました。
バイオセラミックシーラーを用いたシングルポイント法のことで、根管充填の方法における一つの大きな転機でもありました。
ただ、このシーラー層を主体とした充填を行った時に、術後のレントゲン写真を撮ると
「あれ?気泡巻き込んでない?」とか「なんか微妙に隙間あるかも…」
と思われたご経験はないでしょうか?
私もたまに納得のいかないレントゲンの写りをすることがあります。
そのようなお悩みを解決するのに
「なるほど、その手があったか!」
と思う方法があるんです!
今回はそんな手技をご紹介します。
そもそも、気泡を巻き込むことの何がダメなのか?というと、根管内に空隙ができてしまうことによって、刺激物の貯留や細菌の生息を可能にするとともに、歯冠側から漏洩したときの通路となってしまい、再感染が広がりやすくなってしまうのです。
また、刺激物の貯留により、根尖部の歯周組織に炎症が引き起こされるとともに、血流に乗って血行性に細菌感染が起こってしまうとも言われています。
この空隙の有無に関しては、隙間のない根管充填の方が予後が良いという報告があることからも明らかです。
なので、空隙があるかないかでいうと、ないに越したことはありません。
特にシングルポイント法では、教科書にも緊密な根管の封鎖は困難と書かれています。
では、どのようにして気泡の巻き込みを減らすか?
シーラーを根管内に満たした後により行き渡らせるためにマスターポイントを上下にポンピングさせるのは、根尖孔から溢出しやすくなるので、不要です。
そこである論文では、シーラー填入後にポイントを挿入する際に、保持しているピンセットに超音波装置を当てて、超音波振動を根管内に伝えることで気泡を減らすことができるとされています。面白いですね。
石膏を練和するときに使うバイブレーターのようなイメージかと思います。
この文献では、通常の側方加圧根管充填、通常のマッチドシングルコーンテクニック(シングルポイント法)、超音波活性を行ったマッチドシングルコーンテクニックで比較をしていますが、結果は超音波活性を行うことで明らかに気泡が減ったとされています。
根尖からの溢出が本当にないのかは気になるところですが、バイオセラミックシーラーを用いたシングルポイント法を用いるのに有用であると思われます。
私も一度試してみたいと思います!
最後までご覧頂き、有難う御座いました。
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