岩下太一の人生初のインプラント治療/岩下太一の自費開業日記

岩下太一の人生初のインプラント治療/岩下太一の自費開業日記



歯科に従事している人達なら、いつまでも忘れられない患者様っていらっしゃいませんか?

そう!今あなたの頭の中に思い浮かんだ人はあなたの歯科人生を豊かにしてくれた患者様です。

私もこれまで沢山の患者様の治療をさせて頂きましたが、心の片隅にいつまでも忘れならない患者様がいらっしゃいます。

ふとした瞬間に思い出すお顔とお口、フラッシュバックする治療風景。
それはもうあなたの歯科人生の一部になっています。

そういった方はあなたの歯科人生を豊かにしてくれた患者様に違いありません。

何年もかけて治療をしたり、メンテナンスでずっと通って頂ける方なら定期的に顔を合わせる患者様となります。
大人になってからの友達よりも会ってるかもしれませんね。

治療だけでなく、受付でのたわいもない話で盛り上がったり、時にはご家族やペットのことなど様々なお話をする事もあったと思います。

そんな思い出の1ページを積み重ね、あなたの歯科人生は成り立っています。
そして、あなたの人生そのものにも大きく影響しているかもしれません。

私の歯科人生に大きく影響を与えた患者様とのエピソードや症例を通して、歯科の素晴らしさをもう一度感じるきっかけになれば幸いです。

◯人生初のインプラント

私が15年前に初めてインプラントをさせて頂いた患者様のお話です。

当時、入れ歯が嫌で下の奥歯にインプラントをして欲しいと来院されました。

患者様は非常に温和な方で、卒業後間もない私に「全てお任せします!」と信頼して下さったのですが、私にとって初めてのインプラントやレングスニング、便宜抜髄でしたので、当時はとてもドキドキしたのもあり、鮮明に覚えています。

インプラントは右下臼歯部2本でした。
オペの前日はほとんど寝れず失敗したらどうしようと不安で仕方がありませんでした。

そしてオペが始まると心の中では

「下顎管を傷つけたらどうしよう?」
「舌側にパフォったらどうしよう?」

このような気持ちから手の震えが止まりませんでした。

そんな私の様子を察知した当時の院長は
私の震える手を取って誘導してくれたのを今でも覚えています。

レングスニングもジアズのコースを受けた直後で、模型や豚の実習とは違い非常に難しかったのを覚えています。

そんな私に患者様は

最初の勤務先。
転勤で分院長になった勤務先。
開業した医院。

3院に渡ってついてきて下さり、今ではかれこれ15年のお付き合いになりました。

長期メンテではセミナーなどで

「インプラントの近心のコンタクトが空いてくる」

など聞いたことがありますが、その時は

「ほんまかな?」

と思っていた内容も13年後ぐらいに経験しました。

そしてここにきて残念ながら15年ぶりに治療をする事になりました。
治療する事になった歯は、15年前に次に何か問題が起こるとしたら、この歯だろうと予想していた歯でした。破折です。

15年経った今は抜歯即時埋入でソケットプリザベーションとソケットシールを併用しインプラントオペは15分で終了。

患者様も私の成長を感じて下さったようで

「先生も上手くなったねっ」

て言って褒めてくれました!

なんとなく恥ずかしい、でもとても嬉しい!

そんな患者様とのエピソードでした!