根管治療は誰でもできる?/レオ先生の自費診療日記

根管治療は誰でもできる?/レオ先生の自費診療日記



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これは私が臨床実習終盤の頃、実際にある先生から言われて衝撃を受けたお話で、十数年経った今でも鮮明に覚えています。

当時、私は大学卒業後どこで研修医として過ごしその後どの道に進むか?を決めるにあたって、大学の補綴科か保存・歯内療法科のどちらかにしようと考えていました。

その時期は、全ての科において、行き先で悩んでいる学生を医局に勧誘する為の食事会というものが盛んに行われ、当時補綴科での私の指導医だった先生に、2つの科で悩んでいることを伝えると、冒頭の言葉を投げかけられました。

「抜髄とかの根管治療なんて歯医者になったら誰だってできるんだから、そんなとこ行かずにうちの科においで」と。

「これからはどんどん超高齢社会になっていって、歯がなくて義歯が必要な人口が増えていくから、絶対に義歯を学んだほうが良い」

とも言われました。

勧誘の場というのはわかるけど、わざわざ敵作るようなそんな言い方まですることなくない?とモヤっとした感情を抱きました。

「むし歯と神経を取って、中をきれいにして薬詰めるって、口で言うだけなら簡単で、手技的な流れは誰にでもできるかもしれないけど、それをどれだけ再発させずに長くいい状態を保てるかが難しくて重要じゃないの?」

と学生ながら感じました。

他の専門へのリスペクトに欠ける表現の仕方に疑問を持ち、逆に自分が治療するなら誰だってできるという言葉を覆して

「これは先生にしかできないから任せたい!」

と言われるくらいになってやろうじゃないか!

と燃えたのが理由の一つとして、結果的に私は歯内療法を専門とする道に進みました。

そして研修医の時から今に至るまで、マイクロスコープを用いた根管治療に取り組んでいる毎日です。

今でも「よっしゃ!めっちゃデカい塊のガッタパーチャ取れたわ!」とマイクロを覗きながら喜んでいると、それを拭き取ったガーゼを横目で見たら1ミリもあるかないかぐらいのサイズで「ちっさ!」と凹んで未だに一喜一憂しています。

根管治療の実際はというと、ラバーダム防湿などの無菌的処置をきちんと行ったとしても成功率は抜髄が90%ほど、未処置の感染根管治療が80%ほど、再根管治療が56%ほどであり、根管形態の複雑さから100%の成功率ではないのが非常に難しい治療と言える要因です。

保険点数の安さも相まって、本来なら難しい処置であるはずなのに保険診療では雑にさっさと終わらされて蔑ろにされやすい分野でもあります。

それに加えて患者様目線でも

・何やってるかイマイチわからない
・回数や時間がかかっても見た目の変化がない
・途中でうがいできない
・基本口を開けっぱなしにしないといけない
・使ってる薬剤が危険

などネガティブなことを挙げればキリがありません。

しかしそれ以上に、自分の歯をできる限り残せるというメリットがあり、そこに全ての情熱を注いでいます。

肉眼では全く見えない暗闇を照らしながら1ミリ以下の世界にこだわって、少しでも100%の成功に導けるように器具や材料の出し入れをしているという精密さ、繊細さというのを、患者様にも他の専門の先生にもわかってもらえるよう、今後も努力と研鑽を続けていきたいと思っています。

今回は私が困ったエピソードをご紹介しました。
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