洗浄の最適解とは?/レオ先生の自費診療日記
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現在の根管治療において、一番重要と言っても過言ではないステップがあります。
それは【根管洗浄】です。
勿論そこに至るまでの全ての過程が大切で、どれも疎かにはできないものです。
例えば、根管を見落としていたり、根管壁がまだ汚れていたり、仮封が甘かったりしていては、治るものも治ってこないはずです…
ではなぜ根管洗浄が特に重要であるかというと
根管内の細菌を減らすためには
①機械的拡大
②化学的洗浄
の2通りに方法が分かれるのですが、機械的拡大だけではどうしても限界があるからです。
Ni-Tiファイルの進歩で根管拡大のスピードは確実に速くなり、湾曲根管も容易に清掃できるようになってきました。
しかし、どんなNi-Tiファイルであろうとも100%の根管壁には実際には触れることができません。
ある文献では、約30%の壁は全くさわれていないと言われています。
またイスムスやフィンといった狭小な部位には汚れたガッタパーチャポイントや切削片が入り込むこともよくあります。
それをしっかり除去して洗い流さないと、汚染された物質をそのまま中に留めてしまうことになりかねません。
そういったことからも、根管洗浄は外すことのできないステップという訳です。
では根管洗浄の最適解は何かというと
効果的な洗浄液の選択と、適切に根尖部まで輸送するシステムの導入が不可欠です。
最新の文献に基づくと、次のポイントが推奨されます。
①洗浄液の選択
次亜塩素酸ナトリウム水溶液とEDTAの使用が推奨されています。
これにより根管内のバイオフィルムや残留有機物を徹底的に除去することが可能です。
私が研修医の頃は、次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素水の交互洗浄が一般的で、学生時代の講義でもスタンダードと習いましたが、今ではその交互洗浄はあまり意味がなく、過酸化水素水を積極的に用いる根拠はありません。
②洗浄液の輸送システム
洗浄液を根尖部まで確実に到達させる為には、洗浄針の太さ、先端の形状、根管形成の大きさ、根管の湾曲度合いによって大きく変わってきます。
そこに超音波装置などの併用が、洗浄液の浸透性と効率をより向上させる方法として有用です。
これらの方法をうまく組み合わせることで、洗浄液の効果を最大化し、根管治療の成功率を向上させることが可能です。
この最新の文献に基づいた2024年現在のベストな手法について、どの使用順序が良いか、具体的なシリンジの形状はどれが良いか、どこまで根管形成するか、その洗浄に意味があるかといった内容については、先日より開始された私のセミナー内でより詳しくお伝えしています。
とりあえず洗っておけばいいだろうとチャチャっと流しているだけでは意味がありません。
根治のアポでは必ず行うであろう洗浄のステップ、その手技を一度見直してみられては如何でしょうか!
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