自分の感覚や思考を共有できますか?/レオ先生の自費診療日記
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実はこの数ヶ月、私にとって人生最大の難しい課題を院長から与えられています…
それは新しく入ったDrに
「3ヶ月でレオ先生の全てを教えて!」
という司令を受け、現在その真っ最中です。
私が10年専門機関で培ってきた手技を
たった3ヶ月で!?マジっすか!?
と若干複雑な気持ちになりながらも、岩下先生の仰っている意図を汲んで、自分のすべきことの隙間を縫いながら、お伝えしている最中です。
とは言っても全てを伝えるというのは難しく…
例えば、根管治療の際
「クラウンとコアを除去し、う蝕を取り、CRで隔壁を立てて、形成してガッタパーチャポイントを取っていきます。」
という説明をするだけでは
「ではそれをどうやってやってるのですか?」
となる訳で…
普段から私の慣れや感覚でやっている動作や作業には必ず理由があるはずのですが、そんな事を一つ一つ意識した事も考えた事すらなかったのです。
技術を人に伝えるというのが如何に難しいか…
という事に気づき、かなり苦戦しております。
全ての治療ステップには意味があるはずです。
そのステップの意味をちゃんと相手に理解できるように伝える為には、私の頭の中の重箱を隅から隅まで突きまくり
「何故その作業をしているのか?」
を私自身が再確認して言語化できないと相手に伝わらないのです。
例えば
カリエスを除去する際はどのバー使い
どの位の回転数で力加減はこれぐらい。
根管拡大はファイルがこのくらいの抵抗性が
あったら手や指をこのように動かしていく。
指にこの向きに力を加えて根管壁を削っていく。
このように、今となっては慣れてしまって考えずに手を動かしているようなシチュエーションにおいても
「自分は何を考えて治療にあたっているか?」
をもひたすら言語化する為に振り返ることが多くなっています。
教えてみてわかったのですが、一概に言語化と言っても伝える人の能力次第で伝え方は変わりますよね。
また、わかりやすく且つできるだけ楽しく学んでもらえる工夫や、コツの掴み方や例え方。
私の言い方や、表現の仕方次第で教わる人の技術習得スピードが大きく変わるのだなと最近強く感じています。
今までの私は
①新しい知識を得てレベルアップした気になり
②実践で感覚的に落とし込み
③身に付いて忘れ難いものにする
という感覚の部分だけで完結させていました。
しかしそれを誰かに教える為には、それだけではダメでもっと解像度を細かくし、知識と感覚を深く掘り起こして、相手のスキルに合わせた言語化をしなければならないのです。
そうする事によって、自分が選択している手法を再確認できると共に
「本当にこれで良いのか?」
という今まで考えずにやってきた当たり前の作業にも疑問を持ち、再度調べる事で確たる自信に繋がる場面が増えてきました。
技術のお話以外でも同様で、患者様やスタッフにどのようにわかりやすく伝えれば良いのか?
相手がスッと理解してくれる為には、どのような目線からどのような言い回しをすれば良いのか?
とても難しいのですが…この能力はとても大切だという事を最近強く感じております。
先日子供たちと鬼滅の刃の新作アニメを見て
「ああ、まさにこれだな」
と思ったことがありました。
甘露寺蜜璃が自分の能力が上がった際の感覚を周りに伝える時
「グッてしてぐぁーってメキメキメキって!」
そら伝わらんやろ…
という私も…余裕の無い時
「バーって削って、ブワーッて取って、ベチャッてしたらいいねん」
みたいに言っていたこともありました…
全くもって良くないな…と猛省しています。