第1話
開業を考え出した2017年の夏
今年も暑い夏がきた。
いつものように、電車に乗って、勤務先に向かう。
今年7年目の分院長で、だいたいの事はできるようになった。
昨年(2016年)に社会人大学院を卒業して、
少し燃え尽き症候群になったのもあるかもしれないが、
ぼーっとしながらも、ここからの先の未来が今の分院長としては見えてこず、少し焦っている自分もいたのは今でも覚えている。
私も今年で37歳になって、開業するなら30代でしておかないと、借金も大変になるだろうし、2歳の子供もいる。
2年後ともなると39歳
そろそろ動き出さないといけない時期だ!
むしろもう遅いぐらいだ…
今から思い返してみれば、分院長としての条件や待遇は勤務医としたは良かったと思う。
オーナーには本当に感謝している。
月に100万円弱の給料を頂きながら、勉強会には経費で行かせてもらっていた。
それよりも、経験として良かったのが、全て自費診療であり、インプラントやセラミック、そして矯正専門医の矯正治療を間近で何百人と診れたことは、今となっては財産になっている。
歯科医師は、先ずは技術がないと話にならない!
患者様に喜んでもらえる技術だ。
普通のビジネスで例えるなら、売れる商品がないと、お店は開けない。
そこのところは卒業10年目までに、技術を習得しようと躍起になって良かったと思う。
私は、いわゆる「歯科バカ」と呼ばれるタイプで、周りの先生から
「歯好きやなぁ」
と良く言われた。
休みの日は勉強会や学会が当たり前の日々!
技術の習得はもちろん、論文やエビデンスもしっかりと理解し、論理的な思考力を身につけたいと思い、働きながら社会人大学院で歯学博士を4年で取得した。
あの頃は休みは3ヶ月に1日程度。
あれはめちゃくちゃ辛かった!
指導医の先生が凄く協力してくれて、叱咤激励もありなんとか乗り切れたが…
「もう一度やれ!」
と言われたら、死んでも嫌だ!
とりあえず、歯の事だけを考えた10年間だった。
今思えばとても幸せな日々だった…
ここからは
「開業するか、しないか?」
を真剣に考えないといけない。
人生の岐路に立ち、その選択が重くのしかかってくる。
とにかく、少し焦ってきたため、開業を意識した私は今の現状を書き出して検証することにした!
次回に続く
(2017年7月の出来事 開業まで後24ヶ月)
〜少し先輩からのアドバイス〜
①卒業7-10年は技術習得に没頭するべき。
→得意な治療がないと他院との優位性を発揮できない。
②開業3年前から精神的には準備を始め動き出す。
→三年前から考えればどんなスタイルでも戦える準備ができる