第3話 手術時間を痛みを極小化する技術

第3話

手術時間を痛みを極小化する技術 Dr岩下がサージカルガイドを自院で造る理由

サージカルガイドを使用した事はあるだろうか?

私はサージカルガイド(以下ガイドとする)は10年ぐらい前からチャンスをみてはトライしていたが、正直しっくりこなかった。

昔のストローマンガイド(gonyXテンプリック)は事前にプレートを口腔内に入れてCTを撮影して、よくわからない穴をポコポコ開けて手間が多く、精度にも疑問があった。

利用しなかった理由をまとめると

①手間が多い
②精度が信じられない
③値段が高い
④来院回数が逆に多くなる。

手間と値段、新しいシステムを導入する勉強時間を考えるのなら、普通に歯肉を開けてオペした方が楽だった。

特に最大のデメリットは4〜6万の技工代がプラスで発生する事だ!

オペ時間が1時間前後伸びるぐらいなら、ガイド無しでフラップを開けてオペをした方が骨の状態を確認できるし安心感があり、コスパ的にも良い。

しかし「新時代」がやってきたのである。

口腔内スキャナー(以下IOSとする)が臨床で使えるのが現実的になった。
インプラント補綴はIOSと相性が良い。
実はベストカップルなのだ。
このマリアージュを楽しむのが「新時代歯医者」の楽しみである!

IOSと3Dプリンター、ソフトがあれば院内でサージカルガイドが造る事ができる。

サージカルガイドを使う最大のメリットは、症例にもよるが角化歯肉があってパンチアウトでできると、インプラントの手術が20分前後で終わる事だ。

メリットをまとめると

①フラップレスだと縫合しなくて良い
②オペ時間が劇的に短くなる→患者様が楽
③手術時間の極小化→患者様が楽
④フラップ開けないので痛みの極小化→患者様が楽
⑤ガイドにドリルを入れるのでオペ中の迷いが無くなりタイムロスがない。

さらに
⑥フラップを開けるケースでもガイドを造っておけば埋入までが早い。そこからマイナーGBRなどの手技に専念できる。
⑦ガイドではそこまで埋入位置はズレないので、抜歯即時プロビを作製しておけば埋入と同時にプロビが入る。
⑧オッセオインテグレーションとルートトランクの歯肉形態が確立すれば、次はファイナルの印象をスキャンボディー入れてIOSでスキャンすれば良い。

ここで私が考える最大のメリットは、院内で造れば一本の埋入のガイド代は3000円いかない事である。
スリーブは1つ2000円ちょっとするが、ガイドのレジン代は数百円である。スリーブが高いのだ!
さらに実はもう少し安くできるのだが、それはまたセミナーでお話します。

このシステムを導入するには、デジタル歯科治療の勉強がいる。
でもそれは歯科医師側の問題であって患者様には関係ない。
患者様に利益があるのなら勉強するしかない。

初期導入費用としては、まずはIOS。
そして3Dプリンターに100万〜150万ぐらいかかる。
そしてソフト費用もかかる。

しかし、患者様のオペ時間の短縮、痛みの軽減、来院回数の減少。
早くオペが終わる事によってスタッフの手術器具の片付け滅菌が早くでき、早く帰宅できる。
働き方改革にもつながる。
求人離職率低下にもつながる。

インプラントオペを年間、何回するかを考えた場合、費用対効果を考えるとメリットありませんか?

新時代歯医者は便利な物はとことん利用するのだ!