第6話 歯科の歴史は「石膏と模型」と共にあり!

第6話

歯科の歴史は「石膏と模型」と共にあり!
そして、新時代「模型レス」時代へ それが意味する本当の意味とは。。。。

皆さん、気づいていますか?
今の歯科界に起きてる事を!

そもそも歯科という学問の本質は、口の中をいかにして口外に再現し、そこで補綴装置を作製し、口の中へ戻して代替機能させるかであり、場合によっては顎の動きも再現することを目的としていた。

そこで外せないのが「模型」であった。

模型を通して、口の中を視ていたのである。

よって、歯科治療において模型の精度や印象の採り方が重要であり、さらに、1日の業務時間の多くの部分が石膏を扱う時間に取られている。

スタッフがトータル何時間模型に携わっているか?

もし、それが無くなったらどのぐらいの時間がグロス(合計)で省けますか?

これはこれですごい事だと思うが。。。

模型レスになることの本質はこれではない。

模型レスのセンターピン、すなわち模型から自由になることの本質は

「模型がデータであること」

にあると私は考えている。

「どゆこと?」って思うかもしれないが、これがどれだけ素晴らしいことか!

口腔内のデータを口腔内スキャナーで正確にスキャンできると、他のあらゆるデータと「重ね合わせる」事ができる。

例えば、顔貌データ(PLY)やIOSデータ(STLやDCMなど)、CTデータ(ダイコムデータをSTLデータに変換)を一つの画面上に再現する事によって、審査、診断、そして顔貌に最終補綴物を入れた状態を画面上で確認もできる。

これによって膨大な情報を歯科医師や技工士が得ることができ、そして何よりも患者様もそれを見ることができる。

「データの重ね合わせ」こそ、模型レスの本質なのである。

サージカルガイドもIOSのスキャンデータとダイコムデータの重ね合わせによって、ガイドのデータを画面上で作製し3Dプリンターで作製する。

さらに、デジタルの良いところは「コピペ」ができる。

超一流の手法を基本的にはでデジタルではコピペができるので、補綴物の形態などもコピペすれば一瞬で真似できるのだ。

アルジネートやシリコンの印象がIOSに置き換わっただけなら、それはデジタルとは言わない。
デジタルの本質はそこではないのだ。
よく、デジタルデンティストリーはIOSを使う歯科医師の事を指すように思っている人がいるが全く違う。

それはデバイスが変わっただけで、デジタル歯科治療の本質は違う。

少し概念的な話になったが、この本質を理解した上で実際の臨床の現場を見ると、また新しい目で歯科界を視れるのではないかと思う。