デジタル歯科治療ならではの弱点/レオ先生の自費診療日記

デジタル歯科治療ならではの弱点/レオ先生の自費診療日記



上村先生のアカウントはこちら→@leo_dentist_osaka


前回、スマイルデザインクリニックの合理的な歯科治療を行うために必要なデジタル歯科治療の衝撃についてお伝えしました。

印象や模型製作の時短ができる
模型レスによる省スペース
精度も遜色ない
クラウド上でデータ管理ができる
データを重ね合わせられる

このように従来よりも優れている点が山ほどあることを日々実感します。

あらゆる機能を使いこなせているかというと、私はまだまだ知らないこともいっぱいあって、もっと出来ることがあるはず!

と毎日が学びの連続なのですが、一方でいいことばかりではもちろんなく、この1年間で困ったことにも多々出くわしました。

そこで今回は私自身が感じた
「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」
と思ったことをいくつかご紹介します。

①テンポラリークラウンが硬すぎる!

入職したてのころから岩下先生に
「うちで作ったテックめっちゃ硬いから!」
と言われていて
「仮歯なのにそんなことある?」
と思ってました。

いざ削ってみると
「マジか…全然カーバイドバーで削れん!」
となりました。

咬合調整は、口腔内でタービンでガンガン削っていくスタイルです。
3Dプリンターのレジンの種類には気をつけた方がいいのかもしれません。
今は2台目で導入された別の3Dプリンターのレジンが程よく削りやすいです。

②テンポラリークラウン入らない…

また仮歯絡みです。
院内のソフトで仮歯を作る際、想定された歯の削る形や量が、私の思っているものと違うことがたまにあります。
特に健全な歯を切削するときはどうしても削る量が少なくなりがちで、その時は用意したものが全く入りません。

仮歯内面を削ったり、歯を削り足したりするものの、無駄に時間を取られて後悔しました。
仮歯のデザインはできるだけ薄くして、自分の削る量を気持ち多めにしてアジャストしていきました。

③スキャナーが曇る

トリオス3を使っていた時によくあったのですが、機器を立ち上げてすぐに使うとなると先端が冷たくて全然歯が撮影されないことがありました。デンタルミラーが最初曇るのと同じイメージです。
滅菌の繰り返しで、水滴がついたまま乾燥して汚れが撮影窓の部分に付いて読み取りにくくなることもありました。
曇りを防ぐために、印象前に少し早めに起動させておかないといけないのがやや面倒でした。
トリオス5では本体がすぐ加温されることになって解消しました。

④スキャン時は映っているのに撮れてない

各メーカーごとに最適な距離が違うようで、それを意識しないと撮影画面に映っているのにデータとして認識しないことがありました。
この対策としては練習あるのみなのかもしれません。
また最新のiTeroルミナでは、幅広のスキャナーのせいか、最後の方、臼歯の遠心がものすごく撮りにくいです。
これはまだ少し課題として残っています。

⑤データを触る用のパソコンが重すぎる

CADソフトを入れていたり、その他3Dデータを編集するためのソフトを色々と入れすぎて(3shape各ソフト、Meditリンク、Meshmixer、Invesalius、blue sky planなど)パソコンの動作が遅くなっている気がします。当たり前ですが…

院内で色々データを触っていくのであれば
用途で分けるか?
パソコンのスペックを考慮するか?
など必要なのかもしれません。

以上となります。いかがでしたか?

既に同じような環境を導入されている医院がありましたら、あるあると思って頂けるかもしれません。
実はまだまだあるのですが、このような困ったことを一つずつ解決して新しいことに挑戦すると、毎日がもっと楽になることなんだと思っています。
参考になりましたら嬉しいです。