専門医が見た過去10年の歯科治療の変化/レオ先生の自費診療日記

専門医が見た過去10年の歯科治療の変化/レオ先生の自費診療日記



上村先生のアカウントはこちら→@leo_dentist_osaka


前回、前々回は、Smile Design Clinicに勤めてから本格的にデジタル歯科治療に触れ、新たな学びを得て私が感じた変化や困ったことについてお伝えしました。

そんな私も歯科医師になり10年以上経過しましたが、この10年間でデジタル化をはじめ、歯科治療が大きく進化しているのを感じます。

器具、材料、手法など新しいものが日々沢山生み出されており、岩下先生がよく仰っているように、便利なものを使いこなして、より合理的に効率よく治療を行う!というのは多くの皆様が共感されることではないでしょうか?

私の専門である保存修復、歯内療法という領域に関しても、この10年で世界の潮流が大きく変わってきているのをひしひしと感じています。

例えば、修復の分野では接着技術、材料の進歩とMIの概念から、ダイレクトボンディングのケースが増え、それをSNSで発信する先生方も多数おられます。
また、これまでならフルカバーの補綴にしていたところを、極力切削量を少なくしたセラミックオーバーレイという修復方法も近年よく見かけるようになったと肌で感じます。

歯内療法の分野では、ニッケルチタンファイルやMTAセメント、シーラーの進化が特に大きな変化と言えます。

大学病院でも、私が研修医の頃は医局内でラバーダム防湿を必ず行うドクターは、専門科であるにも関わらず実は少数派だったのですが、今やしない先生の方が少ないという意識の変化も見られたり、昔はニッケルチタンファイルに関しても

「どうやって使うかプロトコルがわからない」
「折れたら怖いから使わない」
「手用ファイルで十分治るから必要ない」
「手用ファイルですらちゃんと治せないのにそんなもの使うな」
「湾曲の強い根管では結局沿っていかない」

などネガティブなことばかり上のドクターから聞いていたものですが、これも器具の進歩によってより折れにくく元の根管に追従しやすくなり、今では圧倒的なスピードと仕上がりの綺麗さなどから、私の毎日の診療になくてはならないものになっています。

そしてこれから先はデジタル技術を駆使してそれをどんどん根管治療に活かせないか?
というのも自分で模索したりしているところです。

実際にサージカルガイドを用いた外科的歯内療法も体感してみると、その精度に驚くばかりでした。

インプラント治療において、ガイドを利用するとあらかじめ決定したベストなポジションへの埋入が容易にできるように、根管治療にも応用することで若手の先生方の中で苦手意識がもしあれば、それを払拭できるのではないか? とも思える程です。

たった10年でこれほど多くの変化を感じることから、ここ最近私は国内外の専門誌を調べて、エビデンスに基づいた新たな情報はないか?
と最新の動向を把握するのがマイブームです。

合理的な治療を目指して、変化を恐れずより便利な物を使いこなしてやるぞ!
という意識を皆様も持たれてみては如何でしょうか!
新しいものを使う時ってワクワクしますよね!
参考になりましたら嬉しいです。