成長が止まってしまう歯科医院/岩下太一の自費開業日記

成長が止まってしまう歯科医院



開業して3年経過すると成長が止まる、もしくは成長が鈍化するクリニックがあります。
v 経営が上手くいくと早ければ2年位でそうなります。

これにはいくつか理由がありますが、本質的には院長が止まってしまうからです。
(これが良いか悪いかどうかは別問題です。)
止まってしまう理由と、それに対する解決策はあります。

自分がどの段階で止まっており、それはどのような思考に陥っているから生じるか?

そして解決するにはどうしたらよいか?
についてお伝えします。

①安定すると危機感がなくなる

開業時は不安なので人はめちゃくちゃ頑張ります。
生き死にがかかってるので、生存本能が働きアドレナリンも出ます。

しかし大抵の人は2年目ぐらいからペースダウンし、経営が安定すると3年目ぐらいから落ち着きます。
生存本能が満たされ危機感がなくなり、頑張らなくても経営が回りだすからです。

人はそもそも楽をしたい生き物です。
脳の構造、本能がそうさせます。

② アポが埋まってきた

ほとんどの歯科医院が開業3年以内に感じる事です。
アポイントが埋まってきたのでこれ以上はアポが入らないから仕方がない。
だから成長したくてもできない。
でもこれは言い訳です。

これの解決方法はいくつかあります。

a)アポをあける
→本当に限界まで考えているのか? 

例えばデジタル歯科治療を駆使すれば、印象の時間は段取りよくすれば半分ですみます。

当院では患者様、スタッフ、ドクターの1分の省略をかき集め、どこまでアポを円滑にできるかを考えています。

行き着いた先に再診料を全て無くしました。
薬代も全て無料です。
そのお支払いの時間さえ省くのです。

自費だからできるのではないか?と言われますが、それも含めての自費診療です。

これは極端な例であり、あくまでも一例です。既成概念に囚われないでください。

b)自費率を上げる

自費率を上げ、患者数を減らして売り上げが同じだとしても、アポイントにゆとりができます。
スタッフも楽になるのです。
しっかりとした自費治療ができる技術があるなら自費率を上げる努力をするべきです。

c)アポが満杯になる時点を最終位置から逆算する

これは非常に難易度が高いです。
最初から目標年商を決め、自費何割、保険何割と決めてそれに適したアポしか取らずに3年目を迎えるということです。

そうすれば、最終ゴールの年商、年収がどの治療でどのぐらいのアポイントで形成されるかを逆算できるからです。
これは将棋でいう何手先まで読めるかみたいな勝負です。

私は自費診療で開業前に3年間の売り上げ推移を読み切りました。
あとは中松尾さんぐらいの経験と思考の深さがあれば読み切ることができます。

だから中松尾さんの周りに自費診療メインで開業したい人が集まってくるのです。
中松尾さんは100手先ぐらいの全てを読みきります。

③目標が達成された

目標を決め期限を決めて初めて人は動きます。
人は怠けたい生き物で変化を嫌がります。
その本能に逆らうには少なくとも、目標と期日が必要です。

逆にその目標が達成されると満足感にひたり、新たな目標と期日を決めない限り行動が止まるのです。

私は年商2億を合理的歯科ライフを保ちながら達成するという目標にしました。
これが目標が1億ならそこで止まっていたと思います。

企業でも歯科医院でも、トップの器以上の会社はできません。
それを肝に銘じなければなりません。