第5話
自費100%の提案!?
中松尾さんと2回目のミーティングは梅田のバーで2人で会った。
そこで、中松尾さんに、伝えたことは
・最初は保険診療を導入しながら、将来的には自費診療中心でやりたい
・妻が歯科医師なので、妻と2人でやりたいこと
・先ずは食べていけるようになりたい
今、思えば、大勢の人が普通に望む歯科医師像を話していたと思う。
まず開業場所についてだが、中松尾氏から提案されたのが箕面ではなく、帝塚山だった。
帝塚山も高級住宅街であり競合や人口の事を考えると今、帝塚山は結構穴場であると。
将来的にも自費に移行しやすい。
さらに、中松尾氏の実家は帝塚山で商売をされており、配達などの仕事を手伝う事もあるので土地感は半端なく持っていた。
あと保険診療で流行ると、将来的に自費診療に移行していく際に、どうしても既存の患者様に迷惑がかかってしまう。
「その移行をどのようにお考えですか?」
と言われた。
「私としては、最終的に自費診療を中心としてやっていきたいので、妻と勤務医の先生に保険診療を任せていくと思います。」
と答えた。
このスタイルは、上の有名な先生方がよくやられている経営スタイルだ。
しかし、問題点としては、やはり患者様は院長に診てもらいたい、保険診療だと院長に診てもらえないなどのクレームがよく発生してしまうのも確かだ。
そこで、中松尾さんから思わぬ提案が!!!
「どうせ、最終的には自費診療だけでやりたいなら、最初から自費診療100%でやったらどうですか???」
マジか!!!?
今まで周りの若手の先生で自費専門で最初から開業したのは、聞いたことが無かったし、自分の選択肢にも全くなかった。
私は咄嗟にこう答えてしまった。
「いやいや、そんなの無理ですよ!リスク高すぎる。」
「そんなことができたらみんなやっているでしょ。」
私としては珍しく、人からの提案に対して一度も考えることなく、否定から入ってしまった。。。
だって自費診療だけなんて、ありえないでしょ。。。
その夜のミーティングは終わった。
しかし、次の日から私の頭の中は中松尾さんの
「自費100%でやったらどうですか」
の言葉でいっぱいになっていた。
そして
「どうしたらできるか」
の方法を頭の中で常に検索し出したのである。
そう、私は、みごと中松尾氏の術中にハマってしまったのである。(笑)
次回に続く
(2017年 10月中旬 開業まであと21ヶ月)
〜少し先輩からのアドバイス〜
①何か提案をされたとき、先ずは聞く。否定から入らない
②10年後、理想の診療スタイルを創造して逆算する。逆算思考の訓練をすること