第6話 地獄の葛藤の1週間!!

第6話

地獄の葛藤の1週間!!

「自費100%の診療」

それは歯科医師なら誰もが憧れる診療スタイル

欧米では自費診療がごく普通である。

しかし日本では保険診療が一般的であり
強いて言うなら、矯正専門のクリニックのみが自費専門の医院である。

日本で自費専門のクリニックをGP(一般歯科医)がやるのは、かなりハードルが高く厳しいチャレンジであることは間違いない。

というか、若手の先生が最初からやっているのは周りでは聞いた事がない。

一般的にGPの経営としては、1店舗目を保険診療でしっかりと安定させながら、2店舗目で自費専門をするのが定石だ。
それが経営としてもリスクを最小限に抑えられる方法だと思う。

やはり自費専門のクリニックは経営的に、開業当初が1番厳しく、売上の立ち上がりも緩やかで、場合によっては経営が軌道に乗る前に潰れる可能性もある。

これらのリスクをどう、ヘッジ(解消)するのか?

しかも、たとえ技術があったとしても、いきなり開業しても、患者様は来てもらえないだろう。

色々な不安が頭をよぎる。

閑古鳥が鳴いて、患者様が全く来なかったらどうしよう。
失敗したら、妻と子供が路頭に迷ってしまう。
借金を背負って、最悪、自殺なども考えてしまうのでは。

頭の中でさらに自問自答が続く。

そもそも私にできるのか?

妻になんて言おうか。

妻も歯科医師だからその難しさはわかるはず。

許してくれるのか?

怖いことばかり考えてしまう。

人間は悪い方に考える方が得意な生き物であることを再認識する。

でも、その反面、上手くいけばかなりのリターンを得る事ができる。

自分の納得のいく治療時間を確保できる。

自分の思った診療を患者様に提供できる。

症例も多くなり更なる技術の向上もできる。

自分の時間、家族との時間も確保できる。

最終的に収入もついてくる。

ハイリスクハイリターンとはまさしくこの事だ。

1番の問題は、今まで、周りの若手の先生が、1店舗目から自費専門開業をして上手くいったという前例を聞かないことだ。

何度も自問自答する。

「やりたい事」と「できる事」は違う。
この二つの距離を埋める手段はあるのか?
そして、それが私に可能なのか?

自費開業するには、二つの側面のクリアが必要になると私は考えた。

⑴「手段、方法」

⑵「メンタル」

この二つをどうクリアするかを深掘りすることにした。

次回に続く
(2017年10月中旬の出来事 開業まであと21ヶ月)

〜少し先輩からのアドバイス〜

①ここで話したリスクとはマイナスの意味で話しているが、基本的にリスクとは「不確実性」のことを指す。

すなわち、下振れのリスクだけでなく、上振れのリスクもある。

上振れのリスクとはリターンのことを指す。

不確実なことにどう対処するかで人生は大きく変わります。

そして、不確実な事に身をおくことで、劇的に成長できる。