第14話 私、院長を辞めます!(前編 辞表を書きながら考えたこと)

第14話

私、院長を辞めます!(前編 辞表を書きながら考えたこと)

約二ヶ月かけて辞表を作った。

辞表というより、オーナーへの手紙である。

原稿3枚に、これまでの感謝の気持ちと、辞める理由、そして、今後の医院の引き継ぎや経営に関すること。

自分が辞めても、医院が継続していけるように、16ヶ月後の2019年3月末で辞めるまでに私がすることと感謝の気持ちを綴った。

実は3年前にも、やめることを考えた時期があった。

任せられそうな心から信頼できる人がいたのだが、残念ながら関東に帰ってしまった。

やはり、今のクリニックは矯正治療にも興味があり、それをやってみたいと思ってくれるドクターでないと任せられない。

自費診療なので、拘りのある患者様が集まり、求められる要求も高くなる。

引き継ぐにはかなり意識の高い人しか任せることができない。

オーナーには、将来的には理事長を譲って経営を任せたいとまで言って頂き本当に感謝していた。

しかし、全ての決裁権をもたない立場に意味がないことは私は実感していたし、その立場に私は絶対に耐えられないことも自分の性格上、分かっていた。

私はもともと、開業思考の人間だ。
理事長になったとしても、本当の意味での長ではなく、気を使ってしまう私の性格上、将来的に苦しむのが目にみえていた。

ビジネスにおいて決裁権は非常に重要である。

全ての決裁権を持たない、もしくは上の指示をわざわざ仰がないと全てを決定をできない立場は、ビジネスの成長スピードを落とし、判断を誤らせる。

あと、他者との交渉においても不利になる。

ビジネスにおいて、決裁権を、全て持たない人と、話しても埒が開かず相手にしてくれない。

二度手間なので、上の人を最初から連れて来いって話になる。

さらに

「精神的に抗(あらが)えないものつくらない!」

ことは非常に重要である。

これは精神的自由を得るための大前提であり、最終的には自分の幸せにもつながる。

幸せの大前提に「精神的な自由」は必須事項である。

自分の能力を最大限に発揮するには精神的に抗えないものをつくらないこと。

よって、分院長を辞めることは私にとって、私が幸せになるために必要なことであった。

そんなことを考えながら、ドキドキしながら、10年以上お世話になったオーナへの辞表を書いていく。

めちゃくちゃ苦しい。。。

12月の中旬にオーナーと食事に行く約束を取り付けた。

次回に続く。
(2022年11月の出来事 開業まであと20ヶ月)

〜少し先輩からのアドバイス〜

精神的に抗えないものはつくらない。
→逆らえない人を作ると、精神的にブレーキがかかってしまいます。
精神的に自由な状態は、心が軽くなり本当に大切な事やモノに全集中できます。
私は自分が幸せになるための条件の一つだと考えています。