第19話
2億円貸してください! 〜銀行へのプレゼン〜
前回のH会計士さんへのプレゼンからすぐに銀行の人達と会う約束をした。
場所は、中松尾さんが勤務してる事務所をお借りする事になった。
約2億の融資を貰えるように、銀行へプレゼンする。
「2億円」
というとすごい多く感じるかもしれないが、内訳として土地を8000万ぐらいと考えていた。
大阪の帝塚山はやはり土地が高い。
しかし、土地は資産として残る。
すなわちテナント開業で考えると、約1.2億円程借りて開業する感じの規模感である。
ここで考える必要があるのが、
家賃60万のテナントで30年歯科医師をやったと仮定すると
60万×12ヶ月×30年=21600万
ざっと2億円の家賃を払うが、手元に何も残らない。
そのかわり、メリットはいい場所で開業することができる。
土地だと、8000万でテナント代と同じ事ができる。
そのかわり駅前では高すぎて、買えない。
この事を理解した上で
「賃貸開業」か「土地から開業」
を考える必要がある。
融資会議、当日がやってきた。
中松尾さんの事務所に私、中松尾さん、H会計士さん、そして銀行の人達で集まって前回と同様、私のプレゼンから始まった。
先ずは資料を配布した。
前回よりも内容もブラッシュアップして、プレゼンを行った。
銀行員の人達はふんふんと頷きながら聞いてくれ賛成はしてくれたが、結局持ち帰って上との会議で決めるということになった。
内容が自費診療専門であること、借入額が大きいことがやはりネックになっている。
結局決裁権はその人達にないので、上の判断を仰ぐ必要があったのかもしれない。
私はそれを予想していたので、用意していたプレゼン資料を10部その人に手渡した。
今度は、私のプレゼンをその銀行員の人達が上司にプレゼンしやすいようにするためだ。
その人が上の人達に言葉だけ話しても、おそらく今回の案件はリスクが目につく。
よってそのメリット、もしくは面白いと思ってもらうために、投資したくなるような仕掛けを作る必要があった。
最後の、一押しとしてH会計士さんが、銀行員の人たちに私を推してくれていたのは今でも覚えている。
H会計士さんの推し、そして中松尾さんがいなければ、私の開業は無かった。
今でも本当に感謝している。
ありがとうございます!
その日の会議は終わり、後は銀行からの返事を待つだけだ。
ドキドキして、数日を過ごした。
これが無理なら、一から土地探しや、ビジネス構造を考え直さないといけない。
後日連絡が来た。
「約2億円の融資、オッケーです!!!」
これで、次の階段を登ることができる。
次回に続く
(2018年2月の出来事 開業まであと17ヶ月)
〜ちょっと先輩からのアドバイス〜
融資の世界では借入額は信用の度合いで決まる。
今までの実績や貯金額、プレゼンなどで信用してもらえるかどうか。貸すに値する人物、ビジネスなのかを銀行員にわかってもらう必要があります。