第31話 10本の矢の掘り下げ企画 〜デジタルの矢はスタッフの心を射抜く〜

第31話

10本の矢の掘り下げ企画〜デジタルの矢はスタッフの心を射抜く〜

デジタルの矢、第二段です。

デジタル歯科治療を使いこなすことによるメリットをもう少し皆さんにお伝えします。
皆さんはどこまでそのメリットを想像できますでしょうか?

実は患者様だけでなく「スタッフも楽」になるのです!

デジタルデンティストリーと言えば、セレックシステムなどのミリングマシーンなどを用いて、院内で制作したインレーやクラウンをセットするなど、ワンデートリートメントみたいなイメージを思い描いてる人もいるかも知れませんが、そこまでは望んでいません。

何故なら費用がかかり過ぎるのと、院内ラボが必要になってしまう場合が多く、技工士さんが必要になってしまうからです。
人件費も増えますよね。
それでは少し話が大きくなってきます。

私が考えるデジタル歯科治療とは、合理的でカツ、小規模で患者様とスタッフに得があるシステムです。

以下のようなメリットが有れば、それだけで導入する価値があると思います。

①模型作製の時間短縮

先生方は簡単にスタッフに「マルモ取っておいて」とお願いしてませんか?

この作業は意外とスタッフにとって手間がかかります。
アルジネートを用意して、印象して、消毒して、石膏流して、硬化後に剥がして、トリミングして。
それが一年で何回ありますか?
今まではそれが当たり前でしたが、その時代は終わります。

マルモだけでなく、1年間の印象が全て口腔内スキャナーの印象だったら、スタッフ作業時間はどれだけ浮きますか?
そして、スタッフはどれだけ早く帰れますか?

IOSなら印象して、ドロップボックスにデータをポイっと入れるだけで終わりです。
(それほど遠くない未来にこうなります。)

このようにグロスで物事を考える癖づけをしましょう!
ビジネスでよく使う言葉ですが、グロスとは「全体の」「総体の」と言う意味でまとまった単位で物事を計算したり、捉えたりすることです。

今回の場合

「石膏を使わない事で人件費や材料費が年単位でどれだけ変わりますか?」

という考えです。

②郵送の減少

印象物の郵送が無くなれば、輸送費はどの位無くなりますか?
毎日のクロネコさんの集荷を少なくしたいと思いませんか?
トリミングした後の模型を梱包剤で包んで、段ボールに詰めてガムテープでとめて、伝票を書いて送る。
少しでも減ればスタッフは楽ですよね。
少しでもスタッフを早く帰してあげることができませんか?

③インプラントオペの時間短縮

サージカルガイドを使用すると、どんなメリットがありますか?
歯肉や骨の状態によっては、切開する必要はなくフラップレスでオペが終われば数本のインプラントなら30以内に終わります。

痛みも少なく縫合、バツ糸の必要もない。
患者様はめちゃくちゃ喜んでくれます。
サージカルガイドを院内で3Dプリンターで造れると技工代は5分の1程度になります。

オペが早く終われば、早く片付ける事ができスタッフも早く帰宅できます。

デジタル歯科治療は他にもメリットが沢山ありますが、勉強は必要です。
そしてまだまだアナログの技術も必要です。
しかし、これからの歯科医院にはデジタル歯科治療は必須なので、早く取り組むべき事項である事は間違いありません。

〜ちょっと先輩からのアドバイス〜

デジタル歯科治療は2次的なメリットも沢山あるので、皆さん早めに取り入れるべきです。