第40話
あなたの欲しい斧は 銀の斧 or 金の斧
突然だが、私はGPだ。
GPとは全ての治療をする一般歯科医のことをさす。
でも、私は少し変わったGPで、卒業してから、ずっと矯正専門医の元で矯正治療を教わり矯正治療に携わってきた。
補綴をするには矯正治療が必須だと気づき、卒業と同時にすぐ矯正専門医の元にアルバイトにいった。
その後開業するまで、矯正専門医と共に10年以上治療させて頂いた。
開業においては、私の優位性である補綴&矯正セット&「デジタル」を絡めたかった。
私は補綴でIOS(口腔内スキャナー)のトリオスの購入を決めていた。
IOSはこれからの歯科界には必須であり、患者様にもスタッフにも還元できる利点が沢山あるからだ。
トリオスを補綴で使用する理由としては、精度はもちろんのこと、形成前模型のモードがあり、これが補綴に有効だ。
さらに、経営的にIOSを矯正治療にどう組み込むかがポイントであった。
矯正治療の業界、特にマウスピース矯正となると、アイテロによるインビザラインが一強だが、丁度この時期(2019年)にストローマンから
「クリアコレクト→通称クリコレ」
というマウスピース矯正治療が発売されるということで、かなり楽しみにしていた。
なんと世界シェア2位らしい。
もしクリコレが使い勝手がよく、インビザラインと変わらないパフォーマンスを出せるなら、そちらでも良いなと期待していたのだが。。。
実際、発売直後にストローマンのセミナーに行ってクリコレを触ってみたのだが、正直、期待外れであった。
それには色々な理由があるが、まずソフトがいけていない。
歯牙の移動順序や動かせる限界。
アタッチメントの種類もかなり少ない。
でもこれは仕方がない部分もあり、インビザラインがアタッチメントに関して特許を持っているからだ。
さすが、インビザラインのアラインテクノロジー社はアメリカの会社だけあって、さまざまな特許を抑えている。
他の会社は特許切れを待つしかない。
当時、2019年の段階のクリコレでは私がしたい矯正はできないと判断して、開業して1ヶ月後にアイテロを購入することにした。
開業して1ヶ月で
「トリオスで補綴」と「アイテロで矯正」
の二刀流になったのである!
これによって開業して、1ヶ月後に400万弱のさらなる投資をしたことになる。
開業のメリットは、全ての決裁権が自分にある事だ。
誰にも相談せずに自分が決める事ができる。
もちろん、回収の見込みがあるから投資するのだが、結果的に私はこの投資をわずか4ヶ月弱で回収する事に成功した。
現在のクリコレについて
2022年8月末に3年ぶりにクリコレについてストローマンの方から現段階におけるソフトやアタッチメントについて見せてもらった。
3年で4度のバージョンアップがされおり、驚くほど動きは良くなっていた。
あの時この機能があれば。。。
今は、丁度キャンペーンもやっており、あの手頃な値段なら経営的にもコスパが良い。
残念なのは、アタッチメントはまだ縦と横の2種類しかないらしいが、今後が楽しみで仕方がない。
〜ちょっと先輩からのアドバイス〜
インビザをやるなら、やはりアイテロは必須です。
治療途中にシリコン印象を何度も撮り、送るのは手間がかかりすぎる。但し、ある程度矯正の患者様を呼ぶ導線は確保しておかないと投資額を回収できないので、御用心!
それもセットで考えるのが経営の楽しいところだ!